□あけましておめでとうございます。
設計(デザイナー)の坂下晃司です。
大晦日、東京の友人が遊びに来ていたので、あえて雪深いところに連れて行こうと思い、苔寺として有名な勝山市の平泉寺白山神社に行きました。
ほとんど人の歩いた形跡のない雪道(参道)を歩き、本殿までたどり着くと、そこには「静けさ」しかありませんでした。
普段浸ることのない空気感の中で、1年の心のアカを落とせたような気持ちになれました。
昨年はいろいろな意味で、これからの「暮らし方」を問われた年だったと思います。
東日本大震災では、多くの人が被害に遭いました。
テレビや新聞で見たその光景は、暮らしのすべてが一瞬で失われる、この世の出来事とは思えないものでした。
そして、その出来事は日本のエネルギー・資源を見直すきっかけにもなりました。
今までのあたり前の生活スタイルや価値観が、今後大きく変わってしまうという不安感が日本中に漂っている気がします。
また、震災をとおして、あらためて自然の恐ろしさを思い知りました。
人間が築きあげてきたものを、瞬時に「無」にしてしまう力を持っていることを決して忘れてはいけないな・・・と。
自然のいいトコだけを街や庭に取り込んで、それを「良質な風景」と評するのは人間のエゴで、本当はすごく不自然なことなのかもしれませんね。
・・・でも、春になって桜が咲けば、「自然っていいな」ってきっとまた思います。
紅葉の季節には自然の色に感動し、緑豊かな風景や穏やかな海を眺めて、これからもきっと癒されていくのではないでしょうか?
自然と共存するということはやっぱり不思議です。
僕らも、造園・エクステリアのデザインをとおして、「自然」というものと常に向き合っています。
昨年起こった出来事をメンバーそれぞれがしっかりと考えて、「自然と共存する」ということの本質的な部分を探りながら、より豊かな「暮らし方」をみなさんに提案していきたいと思います。
どうぞ本年もよろしくお願いします。
/Ko(坂下晃司)